痒みの原因は、犬小屋にあり!?
都心部ではマンションなどの集合住宅でも飼いやすい小型犬や猫が人気ですが、郊外では敷地を広く活用できるため、のびのび外飼いのわんちゃんも多いです。
先日、こんな相談がありました。
2週間程前から急激に皮膚炎が進行し、全身掻き壊してひどい状態。外飼いの犬なので野生のタヌキから何かうつったかもしれない。
とのこと。
タヌキ、皮膚炎、でまず最初にピンと来るのは疥癬症(かいせんしょう)です。
疥癬症とは、ヒゼンダニというダニの感染が原因で起こる皮膚炎です。
往診に伺い玄関先に車を停めると、さっそく庭先で吠えてお出迎え。
番犬としてしっかりお仕事してますねー。
そのわんちゃんは、遠目でもわかるほど脱毛が進行し、特に大腿部と四肢でひどい様子でした。時々後ろ足で体を掻きむしっています。
うーん、これはかなり痒そうだ。
痒みを伴う皮膚炎を起こす病気はいくつかあるのですが、タヌキが犬小屋に入り込んでいたのを見たという稟告と症状の経過から、今回は疥癬症を疑って駆虫薬を処方しました。
結果、皮膚炎は2週間ほどで良くなり、1ヶ月後には毛も生えて見違えるほどになりました!
しかし原因となるダニとの接触を避けなければ再感染し症状を繰り返す可能性があります。
わんちゃんが普段過ごしている小屋には囲いがありませんでしたので、野生動物の侵入を防止するため柵や網を張っていただくようアドバイスいたしました。
次回お伺いすると、DIYされていました!
これでタヌキさんが入り込むことはないでしょう。
また、外飼いでは虫に刺されやすかったり、ネズミなどの小動物が侵入する可能性もありますので、フィラリア症の予防、ノミやダニの予防、ワクチン接種なども継続して行っていただくといいですね。
往診での診察は、ご家庭でのペットの飼育環境を見てお話しできるところも魅力のひとつです。
今回のような外飼いのわんちゃんだけでなく、トイレのしつけについての相談ができたり、介護をしている子や多頭飼いの子たちの住環境についてもご相談いただけます。
特に猫ちゃんの場合は尿路系疾患が多く、トイレの大きさや設置場所、水のみ場の状況も重要なポイントになります。トイレの設置数を増やしたら、なかなか治らなかった膀胱炎がおさまった、なんてことも。
このように往診獣医師は病気の治療だけでなく、生活環境を見直し、健康維持にお役に立てるようなアドバイスも行っております。
うちの子のおうちも見てもらいたい!と思った際は、お気軽に往診専門動物病院へご相談ください。