執筆者:いろどり往診動物病院 院長 中山 舞 往診をはじめて、病気自体のことはもちろんですが、同じくらいご家庭で工夫できる「生活環境」のことを気にしてくださるご家族が多いと感じる日々です。 ● 室温のこと 犬が苦しそうということで向かったおうち。部屋が暑く、体温調節のためにはぁはぁしていた様子。室温の調整で解決しました。 往診を始めて、室温は〇℃の設定で!と一概に言えなくなりました。日当たりが良すぎる部屋、空気がこもる部屋、部屋は適温だけれどフローリングは冷えている・酸素室内は暑い・動物に何枚も毛布を掛けている…おうちごとに、それぞれのアドバイスが必要なことに気づかされます。 ● トイレのこと 高齢になっても終末期でも、排泄はトイレでしたい!という意思を持つ子は多いです。トイレを生活場所の近くに設置する、トイレの段差をなくす・浅い段ボールで即席トイレを作る、猫砂を少なくして足場を安定させる、などちょっとした工夫で、トイレに自力でいきたい想いを叶えてあげるきっかけをつくれます。 ● ごはんのこと 「食事の介助の仕方」「嗜好性の良いごはん」「このごはんをあげているが大丈夫か」「ごはんを減らしているのに痩せない」などなど。往診ではその子の病状に加えて、その場でフードの量・食事時の体勢・食器や周りの環境までみせていただけます。より適切なアドバイスができますよ。 生活環境の質問の中でも、介護はみなさん試行錯誤です。日々頑張っているご家族の発見が、往診獣医師を通して他のご家族の役に立つこともありますから、たくさん話を聞かせてほしいと思っています!
執筆者:ホームズ動物往診所 院長 原野(はらの) 亮(りょう) 2024年元旦に起きた能登半島での大地震、報じられた被災状況に胸が痛むとともに、自然災害の恐怖を改めて思い知らされました。また、伴侶動物を伴う避難生活における苦難も、数多く報じられていました。そこで今回は、そのような非常事態での苦難を、少しでも軽減できるよう、常時における備えについて簡潔にお伝えできればと思います。 災害対策として想定する被災状況 ご自宅が倒壊および浸水リスクがある、また、電気ガス水道などの使用が困難となり避難生活が必須 製造や交通インフラがストップし物流が停滞する 平常時に備えておくこと <迷子対策> ペット手帳作成(写真付きで、マイクロチップ番号、動物の特徴や既往歴などを記載したもの) マイクロチップ装着及び登録 <感染予防> 狂犬病ワクチンおよび混合ワクチン接種 フィラリア症予防、ノミ、ダニ対策 避妊去勢手術 ブラッシングやシャンプー、トリミングなどで清潔を保つ <トレーニング> クレートやキャリーケース、ご自宅以外の環境、ご家族以外の人や動物の中で穏やかに過ごせるようにしておく トイレを決められた場所でできるようにしておく 同行避難訓練 <その他> 近隣の避難所における同行避難の可否や注意点など、自治体のホームページなどを参照に確認しておく 一時的に犬猫を預かってもらえる家族や知人を近隣、及び遠方に確保しておく 家具の転倒防止対策や窓ガラスの飛散対策 避難グッズ例 ペット手帳 キャリーケース(小型犬や猫には両手が空くリュックタイプがおすすめ) リード 水やフード(長期保存可能で最低5日分) 食器 医薬品 ドライシャンプーやブラシなどの手入れグッズ おもちゃ(落ち着かせる為) ビニール袋(多目的) トイレ(猫砂やシーツ、新聞紙など) タオル(防寒や目隠し) すでに備えている方も多くいらっしゃるかと思いますが、この機会に一度、見直してみてはいかがでしょうか。
執筆者:往診専門 ルル動物病院 院長 齋藤 亨 慢性腎臓病は犬猫ともに患う病気で、現在のところ完治する病気ではありません。早期に発見、治療を開始することで進行を緩やかにすることが重要となります。 水をよく飲むようになった、尿が薄く量が多くなった、食欲不振が続く、吐くことが多くなった、といった様子が見られることがあります。このような症状がある場合には慢性腎臓病以外の疾患も考えられますので受診していただくことをお勧めします。 脱水しがちになる慢性腎臓病では体調を維持するうえで点滴は有効な治療のひとつになります。なかでも皮下点滴は練習をしていただくことで飼い主様自身がご自宅で実施することもできるため、 飼い主様と動物の通院の負担を考えてご自宅での皮下点滴を勧められる機会もあるかと思います。 往診での皮下点滴 往診で皮下点滴を実施させていただく理由の多くは動物にとって通院がストレスになっているので自宅で点滴をしてほしいというものです。ただ飼い主様自身で皮下点滴をできる場合でも不安、怖いなどの理由で往診を希望されることもあります。 また、皮下点滴を実施する特定のご家族が動物に嫌われてしまう場合があります。動物のために行っている皮下点滴でご家族が嫌われてしまうことは闘病生活をより辛いものとしてしまいます。長い闘病生活になることも多い慢性腎臓病です。辛い思いをしながらの闘病生活は飼い主様はもちろん動物にとってもよくありません。精神的な負担の軽減や良好な家族関係の維持というのも長い闘病生活を続けていくうえで重要になります。 毎回ではなくても時々代わりに皮下点滴してほしい、不安なので皮下点滴の指導を改めてしてほしいなどのご要望でも構いません。ご自宅での闘病生活に負担を感じた時、気軽に最寄りの往診獣医師にご相談いただければと思います。
動物病院へ行く時間が確保できない、家を離れることができない
大型犬や多頭飼育で病院に連れていくのが困難
どうぶつさんが病院を嫌がる
生活環境も合わせて診てほしい
家で緩和ケアをしたい
家で看取りたい
往診獣医師協会は、往診を通して何歳になってもペットと共に暮らせる社会を目指します。
当協会の活動、理念に賛同いただける方のあたたかいご支援、お待ちしております。
往診獣医師と連携しより良い診療体制を構築したい動物病院、理念に共感し
お力添えを頂ける協賛企業様です。
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防音犬小屋レンタくん
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