動物用往診車の疑問にお答えします! 動物用往診車って言っても、動物病院の設備と違って、注射くらいしかやってもらえないんじゃない!? と、思っている飼い主様もいらっしゃるかもしれません・・・。 いえいえ、そんなことないんです!! 今回は、往診車に対する疑念(?)を解決すべく、往診獣医師協会の先生方にご協力いただき往診車を見せてもらいました! 往診車の大きさは? まずはじめに車の大きさですが、軽ワゴンや小型普通車などに乗っている先生が多いようです。 やはり住宅街へお伺いする事が多く、小回りがきいてたくさん荷物が乗せられる車が使いやすいですね。 車内での診察や処置が出来るよう、ミニバンやキャンピングカーなどを病院仕様にカスタムして診療にあたっている先生もいらっしゃいました! 車は近隣のコインパーキングを利用しますが、ご自宅の敷地内に停めさせていただくこともあります。 往診車の中に何がある? では、車内はどうなっているのでしょうか?? 先生方に写真を撮ってきてもらいました! 往診先で様々な状況に対応出来るよう、たくさんの診療道具を車載しています。 車内に棚を造作するなどし、できるだけたくさんの道具が載せられるようにしてあります。 また、カテゴリーごとに箱やカゴにまとめてすぐに運び出せるよう工夫されています。 ですが、病院内にあるものを全て持っていくことはできません。 ご予約時に状況を伺い、必要なものを想定して車へ積み直しています。 診療範囲がさほど広くない先生は、1件ごとに診療拠点に戻ることもあるようです。 聴診器や注射器など、使用頻度が高く小さいものは往診カバンに入れて携帯しています。 顕微鏡、超音波検査機器、血液検査機器などの大きい機材は車に置いたまま、患者さんのおうちへ上がります。 画像では、中に何がしまってあるのか、分かりにくいですが… 【おくすり系】 注射薬、点滴、飲み薬、塗り薬、予防薬、療法食、調剤道具など 【診察のときに使うもの】 体重計、保定に使う猫袋や洗濯ネット、エリザベスカラーなど 【検査に使うもの】 顕微鏡、血液検査、超音波検査、血圧計、遠心分離機、など 【処置に使うもの】 注射器、カテーテル、消毒液、包帯、外科器具セット、酸素やネブライザー吸入器など 東洋医学の先生は、鍼灸セットなども。 【事務用品】 カルテや証明書などの書類、タブレット端末、プリンター、文房具など 【便利グッズ】 コロコロ、ウェットティッシュ、雨具、予備の着替えや靴、スリッパ、感染症対策グッズなど えー、書ききれません・・・。 とにかく沢山あります! 往診専門動物病院では、レントゲン装置や入院室、手術室はありません。 しかし、出来るだけ一般の動物病院と同じ治療をご自宅でも受けられるように、さまざまな工夫と努力を重ねています。 (可能な検査や処置は病院ごとに異なります、各病院へお問合せください) そして夏の車内は猛烈に暑くなりますので、薬や機械が痛まないよう、小型の冷蔵庫を用意したり、日除けの工夫もされていました。 協会所属の先生方、ご協力ありがとうございました!
慢性腎不全の自宅管理で、定期的に伺っている猫ちゃんのおうちからご連絡。 「先生、下痢です、ぴゅーって水下痢が続いています…泣」 慢性腎不全の猫ちゃんは、どちらかというと便秘傾向になります。 いち時的なものだといいなと思いつつ、初日は便検査と対症療法を実施しました。 …良くなりません。 「腎不全の他にも病気を発症してしまったのですかね…下痢が続くなら、血液検査と超音波検査をしましょうね。そういえば、いままでも何度か軟便の時ありましたよね?」 と問いかけると、 「そうです、うんちを緩くする薬を飲んだ時だと思うのですが…」 と言いながら、猫ちゃんの管理ノートを出してきてくれました。 腎不全で食べムラのある猫ちゃんなので、飼い主様が投薬記録と一緒に毎日、その子が口にしたものをメモしている素敵なノートです。 振り返ってみてみると、軟便の日のおやつの欄には“カニカマ”の文字が。 ここ数日はドライフードを食べてくれず、“カニカマ”が食事のメインになっていました。 「…もしかするとカニカマが原因??」 病院と検査が大の苦手な猫ちゃんなので、まずは“カニカマ禁止”から始めてみることになりました。 すると、驚くほど見事に下痢が止まりました!! 飼い主様の素敵ノートがなければ、そしてそれを一緒に開いて経過を追う、往診ならではの飼い主様と獣医師の距離の近さがなければ、きっと検査・検査でなかなか下痢は解決しなかったと思います。 一般の動物病院ほど機器設備は揃っていないですが、往診専門病院ならではの強みもあります。 大事なペットのために、記録をとっている飼い主様はたくさんいますよね。それはとても大切な、その子の蓄積データです。ぜひ見せてくださいね! ※今回ご紹介した猫ちゃんは、カニカマ(ペット用)が体に合いませんでしたが、大丈夫な子もたくさんいます。猫ちゃんの体調をみながら与えることに問題はありません。