慢性腎不全の自宅管理で、定期的に伺っている猫ちゃんのおうちからご連絡。
「先生、下痢です、ぴゅーって水下痢が続いています…泣」
慢性腎不全の猫ちゃんは、どちらかというと便秘傾向になります。
いち時的なものだといいなと思いつつ、初日は便検査と対症療法を実施しました。
…良くなりません。
「腎不全の他にも病気を発症してしまったのですかね…下痢が続くなら、血液検査と超音波検査をしましょうね。そういえば、いままでも何度か軟便の時ありましたよね?」
と問いかけると、
「そうです、うんちを緩くする薬を飲んだ時だと思うのですが…」
と言いながら、猫ちゃんの管理ノートを出してきてくれました。
腎不全で食べムラのある猫ちゃんなので、飼い主様が投薬記録と一緒に毎日、その子が口にしたものをメモしている素敵なノートです。
振り返ってみてみると、軟便の日のおやつの欄には“カニカマ”の文字が。
ここ数日はドライフードを食べてくれず、“カニカマ”が食事のメインになっていました。
「…もしかするとカニカマが原因??」
病院と検査が大の苦手な猫ちゃんなので、まずは“カニカマ禁止”から始めてみることになりました。
すると、驚くほど見事に下痢が止まりました!!
飼い主様の素敵ノートがなければ、そしてそれを一緒に開いて経過を追う、往診ならではの飼い主様と獣医師の距離の近さがなければ、きっと検査・検査でなかなか下痢は解決しなかったと思います。
一般の動物病院ほど機器設備は揃っていないですが、往診専門病院ならではの強みもあります。
大事なペットのために、記録をとっている飼い主様はたくさんいますよね。それはとても大切な、その子の蓄積データです。ぜひ見せてくださいね!
※今回ご紹介した猫ちゃんは、カニカマ(ペット用)が体に合いませんでしたが、大丈夫な子もたくさんいます。猫ちゃんの体調をみながら与えることに問題はありません。