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飼い主様向けコラム

診療日記 カルテNo.3

慢性腎不全の自宅管理で、定期的に伺っている猫ちゃんのおうちからご連絡。

「先生、下痢です、ぴゅーって水下痢が続いています…泣」

慢性腎不全の猫ちゃんは、どちらかというと便秘傾向になります。

いち時的なものだといいなと思いつつ、初日は便検査と対症療法を実施しました。

…良くなりません。

「腎不全の他にも病気を発症してしまったのですかね…下痢が続くなら、血液検査と超音波検査をしましょうね。そういえば、いままでも何度か軟便の時ありましたよね?」

と問いかけると、

「そうです、うんちを緩くする薬を飲んだ時だと思うのですが…」

と言いながら、猫ちゃんの管理ノートを出してきてくれました。

腎不全で食べムラのある猫ちゃんなので、飼い主様が投薬記録と一緒に毎日、その子が口にしたものをメモしている素敵なノートです。

振り返ってみてみると、軟便の日のおやつの欄には“カニカマ”の文字が。

ここ数日はドライフードを食べてくれず、“カニカマ”が食事のメインになっていました。

「…もしかするとカニカマが原因??」

病院と検査が大の苦手な猫ちゃんなので、まずは“カニカマ禁止”から始めてみることになりました。

すると、驚くほど見事に下痢が止まりました!!

飼い主様の素敵ノートがなければ、そしてそれを一緒に開いて経過を追う、往診ならではの飼い主様と獣医師の距離の近さがなければ、きっと検査・検査でなかなか下痢は解決しなかったと思います。

一般の動物病院ほど機器設備は揃っていないですが、往診専門病院ならではの強みもあります。

大事なペットのために、記録をとっている飼い主様はたくさんいますよね。それはとても大切な、その子の蓄積データです。ぜひ見せてくださいね!

※今回ご紹介した猫ちゃんは、カニカマ(ペット用)が体に合いませんでしたが、大丈夫な子もたくさんいます。猫ちゃんの体調をみながら与えることに問題はありません。

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