執筆者:いろどり往診動物病院 院長 中山 舞
往診をはじめて、病気自体のことはもちろんですが、同じくらいご家庭で工夫できる「生活環境」のことを気にしてくださるご家族が多いと感じる日々です。
● 室温のこと
犬が苦しそうということで向かったおうち。部屋が暑く、体温調節のためにはぁはぁしていた様子。室温の調整で解決しました。
往診を始めて、室温は〇℃の設定で!と一概に言えなくなりました。日当たりが良すぎる部屋、空気がこもる部屋、部屋は適温だけれどフローリングは冷えている・酸素室内は暑い・動物に何枚も毛布を掛けている…おうちごとに、それぞれのアドバイスが必要なことに気づかされます。
● トイレのこと
高齢になっても終末期でも、排泄はトイレでしたい!という意思を持つ子は多いです。トイレを生活場所の近くに設置する、トイレの段差をなくす・浅い段ボールで即席トイレを作る、猫砂を少なくして足場を安定させる、などちょっとした工夫で、トイレに自力でいきたい想いを叶えてあげるきっかけをつくれます。
● ごはんのこと
「食事の介助の仕方」「嗜好性の良いごはん」「このごはんをあげているが大丈夫か」「ごはんを減らしているのに痩せない」などなど。往診ではその子の病状に加えて、その場でフードの量・食事時の体勢・食器や周りの環境までみせていただけます。より適切なアドバイスができますよ。
生活環境の質問の中でも、介護はみなさん試行錯誤です。日々頑張っているご家族の発見が、往診獣医師を通して他のご家族の役に立つこともありますから、たくさん話を聞かせてほしいと思っています!