執筆者:ホームズ動物往診所 院長 原野 亮
2024年元旦に起きた能登半島での大地震、報じられた被災状況に胸が痛むとともに、自然災害の恐怖を改めて思い知らされました。また、伴侶動物を伴う避難生活における苦難も、数多く報じられていました。そこで今回は、そのような非常事態での苦難を、少しでも軽減できるよう、常時における備えについて簡潔にお伝えできればと思います。
災害対策として想定する被災状況
- ご自宅が倒壊および浸水リスクがある、また、電気ガス水道などの使用が困難となり避難生活が必須
- 製造や交通インフラがストップし物流が停滞する
平常時に備えておくこと
<迷子対策>
- ペット手帳作成(写真付きで、マイクロチップ番号、動物の特徴や既往歴などを記載したもの)
- マイクロチップ装着及び登録
<感染予防>
- 狂犬病ワクチンおよび混合ワクチン接種
- フィラリア症予防、ノミ、ダニ対策
- 避妊去勢手術
- ブラッシングやシャンプー、トリミングなどで清潔を保つ
<トレーニング>
- クレートやキャリーケース、ご自宅以外の環境、ご家族以外の人や動物の中で穏やかに過ごせるようにしておく
- トイレを決められた場所でできるようにしておく
- 同行避難訓練
<その他>
- 近隣の避難所における同行避難の可否や注意点など、自治体のホームページなどを参照に確認しておく
- 一時的に犬猫を預かってもらえる家族や知人を近隣、及び遠方に確保しておく
- 家具の転倒防止対策や窓ガラスの飛散対策
避難グッズ例
- ペット手帳
- キャリーケース(小型犬や猫には両手が空くリュックタイプがおすすめ)
- リード
- 水やフード(長期保存可能で最低5日分)
- 食器
- 医薬品
- ドライシャンプーやブラシなどの手入れグッズ
- おもちゃ(落ち着かせる為)
- ビニール袋(多目的)
- トイレ(猫砂やシーツ、新聞紙など)
- タオル(防寒や目隠し)
すでに備えている方も多くいらっしゃるかと思いますが、この機会に一度、見直してみてはいかがでしょうか。