往診開業している先生、往診開業しようと思っている先生方の交流会を開催いたします。 近くの先生との交流を通して、診療の協力がしやすくなったり、こんな工夫をしているよと言う診察のやり方の情報共有。新規開業を検討している先生は既に行っている先生にいろいろ質問したり。 過去の交流会でもあっという間に時間が過ぎてしまいました! オンラインではありますが、少人数制のグループに分けて、前半・後半の2回、メンバー入れ替えで行います。 興味がある方は詳細ご覧の上、ご参加ください。 ✳︎交流会への参加条件は往診獣医師協会の会員になる必要があります。この機会にぜひ入会をご検討ください 【開催日時】6月28日21:30〜 【開催場所】オンライン 【参加条件】往診獣医師協会の会員であること 【入会お申し込み】 https://jhvca.main.jp/joinus/
大型犬のトイレ問題 寝たきりになったらどうしよう!? それは、14歳のスタンダードプードルの飼い主さんからのお電話でした。 なんと3日間おしっこが出ていない、とのこと。 えええ、、3日間もおしっこ出ないの?ほんとうに?? 驚きながらも経過を詳しく聞くと、数日前から急な眼球振盪とふらつきで立つことができず、寝たきりになってしまったそうです。 体重が24kgあり、飼い主さん(女性)が抱えて車に乗せられず、通院が困難に。 近所のかかりつけ動物病院でお話だけしたら、おそらく特発性前庭疾患だろうということ。 激しい嘔吐でごはんもお水も摂取できていないため、点滴剤と注射セットをもらって、発症からの3日間は自宅で皮下補液をしている。ということでした。 ところが3日目になっても、おしっこが出ない! かかりつけでは往診をやっておらず、インターネットで往診動物病院を探して、こちらへ電話をしたのだそうです。 膀胱におしっこが溜まっているかどうか、診てほしい。 おしっこが溜まっているなら圧迫やカテーテルで出してほしい、とのご依頼でした。 緊急性が高いと判断し、お電話の後すぐに往診へ。 診察をしてみると、膀胱はパンパンになって硬く張っていました! これは、かなりつらそうだ、、、。 この子は普段の排尿はお外でしているとのこと。 どうやら自力で立ち上がれないこともあって、トイレを我慢してしまっていたようです。 これ、けっこう大型犬あるあるなんです。 普段、お散歩中に外で排泄している子は、外に出るまでずっとおしっこを我慢してしまうんですよね。 けれども具合が悪くて立てない大型犬を、外に連れて行くのは至難の業です。 もし入院中であれば、尿道カテーテルを設置してしまうところです。 このスタンダードプードルさんも、カテーテルを通して尿を抜いてあげることにしました。 (硬くパンパンに張った膀胱に対して圧迫排尿をすると、膀胱に過度な圧力がかかり破裂してしまうことがありますので注意が必要です。) カテーテルを入れるとすぐに尿が出てきました。 何度もシリンジで引いて、どんどん抜いていきます。 抜いても抜いてもなかなか空になりません。 ペットシーツがどんどん重たくなっていき、、、 なんと、700cc近く、抜けました!! 1日に250cc点滴をしていたので、摂取した水分くらいは尿が溜まっていたようです。 抜去後は、下腹部がすっきりペタンコになっていて こんなに溜まってたんだね!と飼い主さんも驚いていました。 今回、おしっこが出ない原因は単に我慢していただけ、ということになりますが、我慢しすぎると腎臓に負担がかかってしまいます。 また、尿道結石が詰まって尿が出ない場合(尿道閉塞)、早急におしっこが出るように詰まりを解除してあげなければ命に関わります。 そのほか、尿が作られていなくて出ていない、ということであれば急性腎不全の可能性もありこちらもすぐに治療が必要です。 このスタンダードプードルちゃんは、その後も自然に出せるようになるまで毎日カテーテルで尿を抜くことになりましたが、現在は前庭疾患の症状もおさまり問題なく排尿できています。 後日の血液検査で腎臓に異常がないことも確認できましたので、ほっとひと安心でした。 1日以上おしっこが出ていない、という場合は、すぐに治療を受けるようにしましょう。 通院が難しい場合は、迷わず往診専門動物病院へご相談ください!
往診で良く聞く単語! 「うちの猫、キャリーに入れられなくて、通院ができないんです…」 通院できないなら、往診という選択肢があるから、普段は入れなくてもOKです! でもこのご時世、いつ災害に直面するかはわかりません… どうしてもキャリーバックに入ってもらおうと格闘するときがくるかもしれません。 猫ちゃんのキャリーバック慣れは、できます! しつけが難しいと言われる猫ちゃんですが、実はちゃんと覚えてくれます。 キャリーの中は嬉しいことがある、と根気強く教えてあげてください。 ・キャリーの中に毎日1回、特別におやつを置いておく ・キャリーの中でごはんをあげる ・キャリーの中にお気に入りのベッドを入れておく 突然、がしゃん!とキャリーの扉を閉めると、怖い気持ちが生まれると思うので、まずは自由に出入りできる場所・嬉しいことがある場所という状態を保ってみてください。 ブログの写真は、キャリー大嫌いな兄弟が、ちょっとづつ頭を入れられるようになってきたものです🐱