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飼い主様向けコラム

動物の往診を身近に① 〜往診専門動物病院って?〜

動物病院にペットを連れて行きたいけど、通院が大変だなぁ、と感じたことはありませんか?

今日では、犬や猫などの小動物も、人と同じように病院でワクチン接種を受けたり、病気になったら検査や治療を受けることは当たり前となりました。しかし、外出が苦手な猫ちゃんやエキゾチックアニマル、移動や長い待ち時間が負担になりやすい高齢の子にとっては、動物病院への通院そのものが高いハードルとなり、治療を諦めてしまう場合があります。

「動物病院へ行こうとキャリーに入れたらパニックになり、結局行けなかった」

「院内が混んでいると他の子に吠えてしまい待つのがつらい」

「高齢で動かすのがかわいそう。移動で疲れてしまわないかな?」

そんな悩みをよく耳にします。

また、飼い主さんの高齢化や共働き世帯が増えたことにより、飼い主さん側の理由で通院できないこともあります。

そうした様々な止むを得ない理由により、動物病院でのケアが受けられないペットたちに対応すべく、訪問診療を専門にしている獣医師が、近年少しずつ増えてきています。いわゆる「往診専門の動物病院」です。

また、コロナ禍での外出自粛による在宅時間が長くなったことで、動物の往診を利用する飼い主さんも増加しています。

往診専門の動物病院は、そうした時代のニーズに合ったサービスであり、今後ますます発展していく分野だと考えられます。

とはいえ、動物病院への通院が一般的で、動物の往診について詳しいことは知らない、知っていてもまだ利用したことがないという飼い主さんも多いのではないでしょうか。

「老犬で足腰が立たなくなり通院が大変で困っていたら、家族がネットで調べてくれて知りました」

毎年ワクチン接種のために苦労して病院へ行っていましたが、来てくれてとても助かりました」

というような、もっと早く知っていればよかったとのお声も多くいただきます。

本稿では、通院に伴う悩みを抱えていながらも動物の往診サービスを利用したことがない飼い主さんへ、往診専門の動物病院がどのようなものかご紹介します。

『動物の往診を身近に① 〜動物の往診でできること、できないこと〜』

動物を対象にした訪問診療は、いったいどのようにして行われるのでしょうか。

また、どんなケースが往診に適しているのか、逆にどんなケースでは往診が向かないのでしょうか。

  • どこで診察するの?

獣医師が必要な道具を全てご自宅へ持っていきますので、ペットが普段過ごしているお部屋で診察できます。玄関や廊下などでもスペースがあれば診察できます。屋外にいる子であれば、そのまま外で診ることもあります。専用の往診車がある場合、往診車内で検査や治療が受けられることもあります。

  • どんな準備が必要?

ペットが落ち着いて診察を受けられるようであれば、特別な準備は必要ありません。来訪者が苦手な子の場合は、過ごし慣れたケージなどに入れて待つといいでしょう。獣医師1名または看護師と一緒に訪問することが多いです。看護師が付かない場合、診察の際に抱っこや保定など補助をお願いすることがあります。ペットシーツやバスタオルがあると便利です。

  • どこまでの検査ができるの?

基本的な身体検査(視診、触診、聴診など)や、顕微鏡を使った検査(尿、便、皮膚など)、眼の検査、血圧測定、血液検査、超音波検査といった、診察室で行われる検査のほとんどができます。

レントゲン検査はできません。診察した上で必要と判断したら、検査が可能な一般動物病院をご紹介することがあります。

※可能な検査内容は病院によって異なります。事前にご相談ください。

  • どんな治療ができるの?

予防医療(ワクチン接種、フィラリア、ノミダニ)

眼・耳・皮膚の治療

下痢や嘔吐など内科疾患に対する飲み薬の処方、注射(皮下注射、筋肉注射、静脈注射)、点滴(皮下補液)

呼吸器疾患に対する酸素吸入、ネブライザー吸入、胸水抜去など

床ずれや軽度のケガに対する治療

慢性疾患や腫瘍などでのターミナルケア

マッサージやリハビリテーション

食事管理やトイレ環境などの飼育相談

などができます。 

問題行動の相談や鍼灸治療を専門的に取り扱っている病院もあります。

※可能な治療内容は病院によって異なります。事前にご相談ください。

  • 往診が向かないケースは?

異物誤食や骨折の疑いがあるなど、レントゲン検査が必要な場合

呼吸が苦しい、意識がないなど急に状態が悪化している場合

症状が重篤で、入院が必要な場合

抗がん剤治療

外科手術

などは往診で対応できない可能性が高いので、一般動物病院をご紹介することがあります。予約時に症状を伝えて確認しましょう。また、往診の特性上、おおががりな検査機器は持ち込めません。精度の高い検査(詳しい超音波検査、内視鏡検査など)が必要な場合もかかりつけ動物病院との連携が必須です。

  • 来訪者が苦手ですが往診してもらえる?

よほど暴れてしまったり攻撃的でない限り大丈夫です。しかしながら、猫ちゃんの場合、高いところや家具の裏などに隠れてしまって出てこず、診察できないケースもありますので、診察前に洗濯ネットに入れて待つと慌てないですみます。人に慣れていなくペットに触れない場合は、問診のみ行う場合があります。

  • かかりつけ動物病院で治療中でも相談できる?

かかりつけで診断を受けていたり治療中であっても大丈夫です。検査結果や治療の内容がわかるもの(お薬の袋や診療明細書など)があるといいでしょう。たとえば慢性腎不全では継続的な皮下補液が必要です。治療の状況を伝えた上で皮下補液だけを往診獣医師に依頼しても問題ありません。このように、かかりつけ動物病院と往診獣医師が治療内容を共有することで、より包括的なケアが実施できます。

  • 動物保険に加入しているが保険は使えますか?

一部の往診専門動物病院では窓口精算を行っていますが、窓口精算ができない病院もあります。お手数ですが各病院へお問い合わせ願います。診療費や往診費が保険適用かどうかは、加入している保険会社へ確認するといいでしょう。

いかがでしたでしょうか。

このように往診の特性上、どうしても制限はありますが、ご自宅だからこそできることも沢山あります。

「通院が大変だし、病院に行くのどうしよう」と迷っている間に症状が悪化してしまうことも。

お困りの際は、ぜひお近くの往診専門動物病院へご相談ください。

※紹介した診察内容や料金等の設定は病院ごとに異なります。詳細は各往診専門動物病院へお問い合わせください。

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